12.22.15:47
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01.08.08:52
神風とメダル表彰者
フィリピンの神風記念碑に来た.彼ら神風パイロットが酷くさげすまれ,一方で,同様なことをやったと思われる我が軍の兵士が讃えられていることの二重性について,ここ何年か考えている.
1944年の海軍一等兵のリチャード・アンダーソンの死後,授与された名誉勲章に刻まれた文言から:「海軍一等兵,アンダーソンは勇敢にも自己犠牲を選ん だ.手投げ弾の上に自ら覆い被さり,爆発の衝撃を全てその体で受け止めて仲間を救った.死に直面しての彼の勇敢さと,そのたぐいまれなる愛国心は米国海軍 の気高い伝統に適ったものである.彼は雄々しく命を祖国に捧げた」
リチャードへの表彰文は,とてもへりくだったものだ.他のメダルの表彰文と同じように.
9/11の攻撃の時に,君は米国空軍のF-16のパイロットであったとする.たまたま武器を搭載していないF-16ジェットで飛んでいた.そのときにラジ オから3機の旅客機がハイジャックされ激突したとのニュースが流れてくる.4機目のハイジャック機は君から10マイル離れた所を飛んでいる.その時,旅客 機を空から墜落させることができるのは米国内でも君だけしかいない.君と武器を搭載していないF-16ジェットのみだ.
君にとって最後の審判の瞬間だ.旅客機に命令が下る.君は青い錠剤か,赤い錠剤を選ばなければいけない.赤い錠剤を選ぶと,滑走路まで一目散に飛んでいけ る.F-16を安全に着陸させるが,一方で数千人が死に,あなたはベッドで生きて目覚める.空軍基地の外で,何て弱虫かとあざ笑われて.
青い錠剤を選ぶと,君の体は無くなってしまう.君の銅像が建てられる.献身的な行動は言い伝えとなる,全ての軍人達と,全ての米国人に.子供達,高速道路,そして広場に,あなたの名前が命名される.そして青の名誉勲章が授与される.
1944年の時点で,事実上,日本が自国への進行を押しとどめる可能性はゼロであった.
我々の軍隊は日本軍を徹底的に追い詰めた.その過程で我々の軍隊の大勢が青の錠剤を選んだ.日本軍には,神風という,ほんのわずかのチャンスだけが残されていた.
ずっと昔に神風が日本を救ったことがある.それは民族の記憶の一部となっている.
日本軍は敵であった.しかしながら神風という青い錠剤を選んだことに対しては,我々は畏敬の念をもたねばならない.
Michael Yon
January 7, 2015
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